「ヒュッゲ」とは何か?世界一幸せな国デンマークの政治制度から読み解く

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ヒュッゲ
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ヒュッゲとは何か

欧米でブームになっている「ヒュッゲ」という言葉を聞いたことがありますか?この言葉は、デンマーク語で「快適なこと、居心地の良いこと」を意味します。

「ヒュッゲ」が欧米でブームになった理由は、デンマークが「世界一幸せな国」にランクインしたからです。

2018年の報告書によると、幸せな国ランキングで、1位にフィンランド、2位にノルウェー、3位にデンマークでした。いづれの国も北欧にあります。ちなみに日本は、54位となんとも言えない順位です。

この順位は自分の幸福度を10段階で評価する「主観的幸福度調査」の結果です。幸福度を自己評価するわけです。これは国民性が反映されてしまいそうな調査だと感じます。例えば、日本人は比較的謙虚なので、自己評価を低くするかもしれません。

このアンケートに加えて、次の6つの要素を加えて分析が行われました。「一人当たりのGDP」、「健康寿命」、「社会的支援」、「人生選択の自由」、「寛容性」、「政治的腐敗の広がりの認知度」です。

「社会的支援」とは「いつでも頼れる家族や友人がいるかどうか」
「寛容性」とは「慈善事業への支援を行っていらかどうか」です。

この要素の一つ「健康寿命」では、日本は2位につけており、25位のデンマークより順位が高いです。けれども他に関しては、デンマークよりも下位にあります。

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幸せとは何か

アメリカやイギリスが主導した自由主義化とグローバル化は、結果的に人々を「幸せ」にすることがありませんでした。日本はアメリカやイギリスに追随した国の一つです。

自由主義化とグローバル化は、雇用を不安定にし、格差を広げ、地域コミュニティの結束や寛容性を弱めました。もちろん、資本主義的な競争の中で、仕事をすることが好きで、それ自体が「幸せ」だと感じる人もいます。

ですが、多くの人は競争社会に晒され、よりストレスフルになり、「幸せ」を忘れてしまっているのではないでしょうか。トランプ大統領の当選やイギリスのEU脱退は偶然ではないかもしれません。

「世界一幸せな国」デンマークには幸不幸の格差や分裂がなく、民主的で、平和で、豊かで、友好的です。では、デンマークをこのように「ヒュッゲ」な国にした政治制度とはどのようなものなのでしょうか。

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資本主義の発展と限界

イデオロギーの対立とも言われる冷戦に勝利したのは、アメリカやイギリス、日本などの資本主義国が属する北大西洋条約機構(NATO)でした。

その後、各国は順調に経済発展しましたが、2008年にリーマンショックという資本主義の根幹を揺るがす金融危機が起きました。その結果、資本主義に疑念を抱く人が増えました。

ですが、社会主義や共産主義に移行するのは間違いです。資本主義の原理と自然淘汰の原理は似ているので、資本主義は維持されるべきです。弱肉強食の、つまり強いものが勝ち弱いものが負けるという世界を変える必要はありません。

したがって、資本主義が目指すべきなのは、社会主義や共産主義ではなくデンマーク的な資本主義です。世界一幸せな国だと言われているデンマークの資本主義を真似ようということです。

では、デンマークはどのように経済発展を果たしたのでしょうか。イギリスのモデルと比較して、その違いを確認していきます。

イギリスでは、富裕農の成長が経済発展を促しました。一部の農民、それもお金持ちの農民が経済を発展させたということです。一方で、デンマークは農民全体の教育水準を向上させ、経済発展を成功させました。全ての農民が経済発展の原動力になったわけです。

このように、両国は対象的な方法で経済発展を成し遂げました。

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デンマークの政治制度

デンマークを「ヒュッゲ」な国にしたのは、国家と社会の力のバランスを上手く取っている「政治制度」です。

デンマークの政治制度は「社会的投資国家」と言われいます。国民に今必要な能力や未来に必要となる能力を身につけさせるため、彼らに投資をするのです。全国民の教育水準の向上を目指しているわけです。

EUの目標の一つに「積極的でダイナミックな福祉国家の発展」があります。文字通り、ヨーロッパ全体で福祉国家を発展させようというものです。

デンマークが進めている福祉国家は普遍的な福祉国家とは違います。先ほども言いましたが、それは「社会的投資国家」です。福祉国家は失業や不測事態に対して事後的に「補償」をします。それに対して、「社会的投資国家」はそれらに事前に「備えて」教育や職業訓練に投資をします。

このように、「備える」ための人的投資を行うことによって、雇用の安定させ、失業と貧困を減らし、長期的な経済的利益を得ることができるというわけです。

経済成長を促進するためには、知識と科学技術が必要です。けれども、変化の速いこの時代では、1週間後には習得した知識が時代遅れになってしまう可能性があります。そのため、各企業は労働者の定期的な学習機会を設け、彼らに新たな知識を獲得させる必要があります。

これには「社会的投資国家」の支援が必要です。金銭的な問題を抱え、学習機会を設けられない人々や企業を支援しなければなりません。国家の支援によって、教育格差の二極化を防ぐことができます。

経済成長にとって不平等や格差は良くありません。そのため、学習機会に恵まれない弱い立場の人々に投資をすることが重要になってきます。不平等や格差を招く階層型の組織よりも、深い信頼関係を築き、競争力を高めることができるフラットなネットワーク型の組織の方が好まれます。

まとめ


一人当たりのGDPを比較すると、デンマークが14位に対して、日本は24位です。このことからわかるように、日本人の生産性はあまり高くありません。日本も中小企業を再建することにより、GDPの向上を促進することができるかもしれません。

デンマークを含めた北欧諸国は技術力がなく、経済的に不利な立場にいます。ですが、積極的に人的投資をすることによって、人々に学習を促し、他の国で生まれた知識を上手く吸収させ、経済成長を遂げてきました。

デンマークの導入した政策は、単に失業給付金を提供するのではなく、それを条件に、職業訓練の参加を義務づけることです。その結果、デンマークは失業率を激減させることに成功しました。これら一連の成功は「デンマークの奇蹟」と呼ばれています。

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